CCIEに受験するにあたり、英語の勉強から始めるという方が結構いるそうです。
ドメスティックな企業だと、未だ英語が苦手なエンジニアは多数いらっしゃることだと思います。現在、僕の働いている企業でも、まだまだ英語を使えるエンジニアはレアだと言えます。
幸い僕は英語が得意な方なので、この点においては苦労しませんでしたが、少しまとめておきたいと思います。
必要な英語のレベル感
CCIEを受験するにあたって必要な英語力をまとめると以下のようになるでしょう。
・リーディング力（問題は全て英語です）
・スピーキング力（質問は全て英語です）
・リスニング力（返答は全て英語です）
このうち必須なのがリーディング力で、あると圧倒的に有利なのがスピーキングとリスニングです。
リーディングに関してはLABルームに辞書が用意されているので、ゆっくりと落ち着いて文章を理解していけば、多少の遅い早いがあるとしても理解は可能だと思います。
勿論、基本的な英文法の構成は理解しておく必要がありますが、CCIEを受けようという方は、英語でしか用意されていないドキュメントを多数読み込んでいることだと思いますので、そのリーディング力があれば十分です。
リスニング力についても、そこまで心配する必要はありません。
プロクタは努めてゆっくり話そうとしてくれますので、英語アレルギーで、英語を聞いたら死ぬ、という方でなければ大丈夫でしょう。
彼が言っている単語がわからなければ、用意されている紙に筆談でコミュニケーションをとるのがいいと思います。
あるいは辞書でその単語について引いてもらい、日本語訳を知るといいでしょう。
圧倒的に有利になり、ぜひ磨くべきなのがスピーキング力です。
何故か日本では、ものすごく長い間英語を勉強しているのに、話せる人がすごく少ないという現実があります。理由は明白で、英語教師の質が低すぎ、の一択でいいと思いますが、そんなことを言っていてもCCIE認定されるわけではないので、現実解を考えてみます。
スピーキングが苦手な人の攻略法
単語で話す
文章、過去、未来、文法無視で、聞きたいことを単語で聞きましょう。
ルータ１、OSPF、ディストリビュートリスト、OK?
カタカナ英語がどうした！
絶対伝わります。
自信を持ちましょう。
外国人が道を歩いてきて、片言の日本語で、単語だけを並べて、
エキ、ドコ、ミチなどと聞いてきたら意味不明ですか？
うはwwwwwこいつwwwwwカタコトwwwwwテラワロスwwwwwwイミフwwwww
などと理解するのを諦めたりしますか？
わかりますよね？
むしろ、分かろう、分かってあげようとしませんか？
それと同じです。
紙に書く
聞きたいことを紙に書いてみましょう。
英語が厳しければ絵を描いて、Configそのものを書いてもいいでしょう。
試験ではOSのノートパッドが使えますからそこに書いてもいいと思います。
単語で話すのと組み合わせれば破壊力抜群です。
はやぶさの剣くらいの破壊力になってきたと思います。
恥をかなぐり捨てる
伝わるかどうか心配・・・
うまく話せなかったら恥ずかしい・・・
引っ込み思案な性格だから・・・
そんなあなたはスピードラーニングでも始めるのがいいかもしれませんが、伝わるかどうかを心配せずに、試験に合格するかどうかを心配しましょう！
うまく話せないことを恥じる前に、試験に全力で挑めていない自分を恥じましょう！
試験の日以外は引っ込んでましょう、試験の日だけは出っ張りましょう！
10万円強をドブに捨ててまで守るプライドがあるような富豪なら、勝手にプライドを取って下さい。ていうか、むしろ、そんな富豪はCCIE目指す必要なくないですか？
10万円が惜しい！！という人は、慎重にいきましょう！
よくわからないまま勝手に自分で判断して先へ進むのは、非常に危険です。
わからないことはすべて聞いた方がいいです。
答えがわからないというのは論外ですが、設問の意図を確認するのは非常に重要です。
英語は世界で10億人も話しているとされる言語です。
話している人がいるということは伝わるということです。
プロクタは毎日英語を話せないCandidateと対峙しているのです。手慣れたものです。伝えよう、伝えたい、伝わって下さい、という強靭な意志こそが重要です。
外国人が道を歩いてきて、片言の日本語で、単語だけを並べて、
コノヘン、ケイサツ、ドコなどと聞いてきたらバカにしますか？
うはwwwwwこいつｗｗｗｗ日本語も話せねーんだ！ｗｗｗｗｗ日本語簡単だろｗｗｗｗｗ恥ずかしいやつめ！ｗｗｗｗだせえ！ｗｗｗｗｗｗｗうひょーーーーｗｗｗｗ
って、思いますか？
思わないですよね。それと同じです。
伝える工夫をイメトレする
常日頃、勉強しているときから、わからないこと問題が出てきたら、これを英語で聞くにはどうしたらいいかな？とイメトレしてみましょう。
答えてくれる人はいませんが、使い勝手のいい表現に出会うはずです。
例えば、Does this mean～?や、Can I use～?などが一般的でしょうか。
このように、CCIEのために、特別に英語を学ぶ必要はないと思います。
少し意識するだけで、十分に対応可能だと思います。
英語を言い訳にはしない
よく、CCIEは英語の試験だから取れない、と言うエンジニアに出会います。
その時点で、この人は技術ドキュメントを多読していない人だな、とわかります。
なぜなら、技術を深く知るのに重要なドキュメントのほとんどは英語で記述されているからです。
そんな人に言いたくなります。
「いや、おまえには日本語だったとしても無理」。
関わるのがめんどくさいので実際は言いませんけれども。
英語だから、Cisco機器に慣れてないから、忙しいから、子供が、嫁が、家庭不和が、親が、卵が、鶏が、実家のリホームが、ヒノキ風呂が、片岡篤が、何かと理由をつけて逃げているだけで、まるで自分だけが不遇な状況にあるかのようです。
言い訳を見つけて嬉しいのはわかりますが、な、わかるだろ？って押し付けてこないでほしいものです。
口臭太郎にはならない
僕は留学経験があり、大学でも語学を学んでいたので、英語が得意と言えば得意です。
どちらかというと、ネットワークの設定・設計より英語の方が得意でしょう。
その話をすると、まるで僕が得をしているかのように臭い息を吐き散らしながら雄弁にバカを撒き散らし話し出す人がいますが、そもそも口臭太郎の言うことは全く成立していません。
口臭太郎が高校・大学と理系で情報処理なんかを学んだり、数字に強くなったりしている間に、僕はバリバリのド文系で語学を必至で学んでいただけのことです。
数学なんて高校からやってませんから、どちらも出発点は同じと言えると思います。
ただ、努力したのか、しなかったのか。
無慈悲で現実味のある、ごまかし用のない事実があるだけです。
わかってない人にはならない
ドキュメントを多読していないということは、端的に言うと「分かってない人」だということですが、自分がわかってない人だということを恥だと思わず、分かってない人だということを分かってない人だと自ら言っていることに気づいていないわけです。
僕はそういう人には可能な限りノウハウを与えないし、仕事を一緒にしないようにしています。
これは無知の知とは違いますね。無知の無知の無知ですね。
逆に、「英語が苦手だから、ドキュメント読んでるとすぐ眠くなるんですよね～」とか言いながら、それでも必死に学ぼうとする人は、どんどん応援したくなります。
和訳を手伝ってあげることも厭いませんし、こちらから率先して資料を提供します。
何事も、大事なのは姿勢ですよね。
どこの会社にも口臭太郎たちは存在すると思います。
でも、技術は日々進化しているものです。
何かをあきらめた瞬間に、その人は技術者として立ち止まった、天井を打ったのだと思います。
口臭太郎が職場内で優れた技術者だとされていても、その距離は遥か離れているように見えていたとしても、こちらが自分に負けずに英語のドキュメントを読む一秒は、彼らとの距離を光の速度で縮めていると思います。
気づけば口臭太郎は遥か後ろ、こちらは口臭太郎が見えなくなるほどに遥か前。
地道なように見えて、その一歩は大股一段飛ばしです。
耐え忍んで読み進める１ページは、決して遠回りでも、間違いでもありません。
自分が悩んできた経験をこれからCCIE LAB試験を目指す方の参考になればと書いています。CCIE LABまとめページ
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