11.06.2012

Cisco IOSを読み解く!その1 


CiscoのIOSは、一見すると非常にわかりにくい表記になっています。
IOSのバージョンを選ぶ際など、結局書かれている数字やアルファベットの意味が分からず、とりあえずカレントバージョンでOKですと言ってしまいがちですが、見方をおぼえておいて損はないと思いますので、覚えておいたほうがいいでしょう。

まず第一に覚えておかなければならないのは、IOSの見方は12.4以前と15.0以降で大きく違うということです。



12.4までのIOSの場合、まず知っておかなければならない基礎知識として、IOSの種類がメインライントレインとTトレインに大きく分かれるということです。

メインライントレインは、Ciscoが安定しているよと保障してくれているOSです。安定志向のユーザ向けOSになっています。

T(テクノロジー)トレインは主に最新機能をどんどん追加していくような実験的なOSで、ある程度のリスクをユーザ側で背負ってでも、最新機能を使いたいという人向けのものです。

それらの見分け方としては、例えば12.4(10)T10のように、()の後ろなどにTの文字が入っているものがTトレインということになります。

メインラインの場合、()内の数字はバグフィックスなどのメンテナンスを行った回数を示していますので、同じ12.4で比較した場合、12.4(10)と12.4(20)では、12.4(20)の方が、安定している可能性が高いと考えていいと思います。

一方、Tトレインの方は少し見方に違いがあります。
例えば12.4(10)T10の場合ですと、()の中はメインラインと同じようにメンテナンス番号ですが、Tトレインの場合は積極的な機能追加がなされていますので、()内の数字のたびに新しい機能が追加されていると言えます。

つまり、12.4(10)T10ですと、10回のメンテナンスがあり、10回の新機能を追加したと考えることができます。

さらに、Tの後ろの数字ですが、こちらはリビルドの番号ということになっています。
リビルドは(10)に対して意味を成す数字で、例えば12.4(10)T10の場合ですと、12.4(10)Tを10回リビルドしたということを示しています。

この情報からは漠然と、12.4(10)Tまでに追加された機能が色々と安定しなかったので、10回もリビルドしたのだなあと考えることができます。

メインライントレインとTトレインの相互関係ですが、メイントレインの最初のバージョンは、前バージョンのTトレインの、最後のバージョンをベースにして作られています。
ですので、12.3(14)Tと12.4(3)はほぼ同等の内容であるということが推測できるというわけです。

つまり、メインライントレインが安定版とはいえ、()内の数字が若い場合は、前バージョンのTトレインと大差ないと言えますので、採用を控えるか、安定したとされる前バージョンのメインライントレインを採用した方がいいでしょう(どうしても必要な機能がないのであれば)。

長くなってしまいましたので、次回に15.0以降について書こうと思います。

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