パチンコのメインの脳みそ |
当たり判定はベテランCPU
スラッシュドットジャパンを読んでいて、素直にへぇーっと声を出してしまった。
個人的にはパチンコで遊ばない上に、レガシーなプログラミング技術については深い知識を殆ど持っていないので、全く知らない世界だったのだが、タイトル通り高齢化が進んでいるそう。
その理由はz80という型のCPUを使ってメイン基盤の当たり判定をプログラミングしなければならないからで、ファイルサイズも現在主流なギガバイト、テラバイトってな言葉からすると遥かに小さい、数キロバイト、数百バイトの中で閉じなければならないらしい。
その理由もパチンコの法律だか協会だかが定める厳しい方式をクリアしなければならないからで、簡単には容量アップだったり方式変更ができないからだそう。
ギミックはサブ基盤
パチンコと聞いて最初に思い浮かんだのが、ピカピカ光る派手な演出なんだけど、あの辺のスーパーリーチ(?)みたいなヤツだったり、当たりそう!みたいな演出は、メイン基盤ではなくサブ基盤の方で行っているらしい。
サブ基盤の方は当たり判定に一切関連しないという前提のもと、特にプログラミングの縛りはないらしいので、ああいう派手な演出が可能になるというわけだと思われる。
(随分昔にテレビで見たレベルなので、現在のパチンコは派手じゃないのかも??)
メイン基盤の仕事は増えてくけど
ところが、そのサブ基盤に演出を指示するのもメイン基盤の仕事ってことなので、おそらくサブ基盤がゴリゴリ演出し始めると、メイン基盤にさせなきゃいけない仕事は増えていく訳で、それを少ない容量の中で職人的にプログラミングできる人が高齢化していくのは、ある程度仕方のない事かもしれない。
原発の問題もそうなんだけど、技術として今後広がりが見えてこないところに、若い人や新しい人は集まってこないと思うので、パチンコ業界として今後の存続を考えるとすれば、新しい方式を取り入れて行かなければ難しい気がする。
パチンコだけの話じゃないんだよなあ・・・
今回、たまたまパチンコの話を目にしたからそれを題材としたんだけど、実はITの現場って切り口を変えると似たような話が結構ある。
例えば、未だにINS回線は安定安心の回線として一部の企業などで現役で使用されているにもかかわらず、ターミナルアダプタ(TA)販売メーカは軒並み生産停止・販売停止を始めていて、ぶっ壊れても保守ができなくなったりする。
それに呼応するように、TAやDSUなんかを取り扱える若手技術者は全く増えていかない訳で、RJ45のポートにRJ48の片側を突っ込んで「通信不具合」を叫んだり、RJ11を知らなかったり、現役でサービス提供しているインフラに対して十分な知識がないまま携わる人間も少なくなかったりするのが現状だ。
他にも、日本限定品として日本中に爆発的セールスを誇ったCiscoの1812Jなんかは、BRIポート周りのバグを多数抱え続けていたことは、取り扱っていたエンジニアなら殆どが知っていることだろう(現在EOSになっていることもあるが、殆どは改修済み)。
当然、BRIポート使用者の絶対数が少ないという事も背景にあるだろうけど、バグフィックスが積極的に為されなかったり、多くのバグを内包していたことは、レガシーなBRI周りに精通したエンジニアの数が不足していたことも一つの要因だろうということは見て取れる。
深くじゃなくていいけど、知っておくべき
僕は立場上、後輩や自分の部下に技術指南なんかをしたりする事もある訳だけど、そういうときは必ず、その技術の歴史を軽くでもいいから調べときなさいよって話をする。
卓越したレガシー技術者になる必要はないんだけど、歴史や成り立ちを知っておく事で、論理的・合理的に技術について向き合う事ができるから、理解度は深まるし、未知のトラブルにも柔軟に対処できると思う。
例えば、スイッチングHUBが生まれた背景だとか、それまでの技術が抱えていた課題とか問題とか。
こういう思考を常に意識しておくと、抱えてる課題を発見する力が養われると思う。
課題や問題の本質を見つけ出せば、後はそれを合理的に解決していく道筋をいくつか立てるだけで、ほぼ解決することは確定するわけだから(あとは忍耐との戦い)、しっかりとリスクヘッジしながら進めていくことが出来ると思うんだ。
古いから、使わないからって無視するんじゃなくって、へぇーとかほーとか言いながら、昔の技術も少しは調べておくと、役に立つことはいっぱいあるだろうし、今までの視点や切り口を少し変えて物事を捉えるようになると思うんだよね。
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